CHISOU

VOICES

幅/下拵え

Writer: 米田陣

会田大也|ミュージアムエデュケーション的体験のデザイン

幅をキーワードとした理由は、アートを観せる時と観る時に幅を持たせることが重要と考えたためである。鑑賞者は作品に対する考えや視点を他⼈と共有することで、作品に対する新たな⾒⽅や解釈を得ることができる。つまり1つの作品に対する印象や考えの幅が広がることにつながるといえる。作品を観せる側は作品に関して全てを説明するのではなく、余裕をつくることで鑑賞者に考える余地を与えることができる。つまり幅を持たせた説明をすることで鑑賞者⾃ら考える⽅向に促すことができるといえる。しかし作品を1⼈で鑑賞する場合はどうであろうか。⾃⾝の考えや視点をすぐさま共有する相⼿はおらず新たな解釈の発⾒には繋がらない。その場合は作品のパンフレットや説明書、解説するアプリ等が異なった視点を⼿に⼊れる⼿がかりとなる。したがってパンフレットや説明書が単に作品の解説をするだけではなく、鑑賞者が⾃⾝とは違う他の⾒解を発⾒するためのツールとして変化させる必要があるのではないかと考えた。

※2020年9月5日レポート

下拵え

下拵えをキーワードとした理由は、プロジェクトを実施する上で事前の準備がとても重要と考えたためである。料理でも具材に下拵えをすると美味しく仕上げることができる様に、来場者の導線や感情、鑑賞時のストレスを軽減する展⽰⽅法や会場周辺の準備に⼒を費やすことでプロジェクトの内容をより充実したものにすることができるといえる。ただ全てを事前に準備することは不可能である。プロジェクトを実施する中で⾒出す課題に対して改善を随時⾏う必要がある。しかしながら、もし予算が決められている⾏政や企業からの補助⾦や助成を受けていれば、途中で展⽰⽅法等の変更や付け加えをすることは難しいように思える。そういった場合の柔軟な対応や理解が助成する側に求められるのではないだろうか。今回の講義を通じて先の先までを読んでプロジェクトを実⾏する必要性を学び、またその⼿法を学んだことで今後鑑賞者の視点に⽴った時間空間づくりを⾏うことができると考えた。

※2020年9月6日レポート

  • Update: 2020.09.15 Tue.

PROFILE

米田陣

はじめまして関西学院大学4年の米田陣と申します。途上国支援を学ぶ目的で大学に入学後、フィリピンの孤児院で暮らす子供たちの踊る姿からアートと社会課題を結びつけて考えるようになりました。その後フランスでのフィールドワークや国内でのアートプロジェクトの経験から、文化芸術による社会課題の解決をテーマに研究しています。将来人間の安全保障の分野においてアートを取り入れたいと考えているため、このプログラムを通してアートマネジメントの手法や視点、アーティストと社会を結ぶための必要な能力を学び習得したいと考えています。

REFERENCES

講座について

LECTURE OUTLINE

会田大也

ミュージアムエデュケーション的体験のデザイン

  • ラボメンバーコース
  • ゲストコース

2020年9月5日(土) 14:00–16:00

CHISOU lab.

  • ラボメンバーコース

2020年9月6日(日) 10:00–12:00

CHISOU lab.

近年アートプロジェクトや芸術祭の中でも鑑賞者を主軸にしたラーニングや教育プログラムが注目されるようになりました。長年、鑑賞者の主体性を引き出すプログラムやワークショップを実施してきた会田大也さんをお招きし、アートを通じた豊かな学びの方法について考えます。

会田大也
ミュージアムエデュケーター/山口情報芸術センター[YCAM]学芸普及課長

1976年東京都生まれ、山口県在住。YCAM開館より11年間、教育普及担当としてメディアリテラシー教育や美術教育、地域プロジェクトのワークショップやプログラムを開発実施。近年はアート分野だけでなくビジネスやまちづくりの分野でも研修などの開発に携わっている。