CHISOU

VOICES

言葉にならない /神は細部に宿る

Writer: M. S.

会田大也|ミュージアムエデュケーション的体験のデザイン

言葉にならない 

最近、美術作品を撮影できることが増えた。また、時代もインスタ映えなど、画像の見栄えで情報が拡散する傾向があり、写真映えする作品が増えたように感じる。私も自分の記録用、そして友人へ伝えたいという気持ちから、展覧会に行くたびに写真を撮っては、SNSに投稿していた。しかし、昨年神戸で行われたTRANS-という展覧会は、そんな最近の傾向とは一線を画していた。ある作品は個人宅という理由で撮影ができず、ある作品は体験こそが作品の本質でありすぎて撮影が意味をなさなかった。展覧会が素晴らしかったので、他人に伝えたくなったが、写真がほとんどないので、SNSに投稿するために言葉を探した。私が見たもの感じたことを言葉にする過程で展覧会への思考が深まるのを感じた。これが講義での鑑賞体験を豊かにする言語化なのかと思う。後日、同じ展覧会を見た人と話した共通の感想は、「見てない人には説明できないね」であったが。

※2020年9月5日レポート

神は細部に宿る

私は仕事でイベントの企画や運営をしている。イベントのプログラムは言うまでもないが、HPやDMでの事前告知、当日の来場者の動線やスタッフの動きや応対にも気を配る必要がある。この仕事も4年目となると、だんだんと慣れてきて、昨年から流用もするし、変更したとしても、大体の流れはつかめているので、事前にボトルネックも見えてくる。50人なら50人の、500人なら500人の集団としての最大公約数を考えた運営を行い、ミスやクレームがなく終われば安堵する。でも本当にそれで良かったんだろうか。カスタマー(来場者)は、私たちのイベントを見つけて、行こうと思ってくれて、来てくれて、体験してくれて、帰り、次のアクションを起こすまで(ジャーニー)に、どのようなことを感じるか。それは一人ひとり全く違うはずだ。あまりに全体だけを見て、個を考えられてなかった気がする。再来週のイベントまでに早速細部の見直しを行おうと思う。

※2020年9月6日レポート

  • Update: 2020.09.15 Tue.

PROFILE

M. S.

大学時代は芸術学を学び、社会人になってからは、長らく広告のライター、ディレクターをしてきました。個人的には現代アートに興味があり、国内外の展覧会を見て回っています。3年ほど前から縁があって大学で入試広報をしており、イベントや制作物を企画や運営しています。アートによるコミュニケーションや人々の交流に興味があり、ここでの学びで、発想の幅を広げたいと考えています。また、直接的にではないにしても、勤務している大学でのブランディング広報や社会連携、地域創造に生かしたいと考えています。

REFERENCES

講座について

LECTURE OUTLINE

会田大也

ミュージアムエデュケーション的体験のデザイン

  • ラボメンバーコース
  • ゲストコース

2020年9月5日(土) 14:00–16:00

CHISOU lab.

  • ラボメンバーコース

2020年9月6日(日) 10:00–12:00

CHISOU lab.

近年アートプロジェクトや芸術祭の中でも鑑賞者を主軸にしたラーニングや教育プログラムが注目されるようになりました。長年、鑑賞者の主体性を引き出すプログラムやワークショップを実施してきた会田大也さんをお招きし、アートを通じた豊かな学びの方法について考えます。

会田大也
ミュージアムエデュケーター/山口情報芸術センター[YCAM]学芸普及課長

1976年東京都生まれ、山口県在住。YCAM開館より11年間、教育普及担当としてメディアリテラシー教育や美術教育、地域プロジェクトのワークショップやプログラムを開発実施。近年はアート分野だけでなくビジネスやまちづくりの分野でも研修などの開発に携わっている。