CHISOU

VOICES

横にいる人

Writer: 西尾美也

会田大也|ミュージアムエデュケーション的体験のデザイン

売れ始めたアーティストは社会の役に立つものとしてアートを語りがちで、ピュアなアーティストはそうでないとか、でも周りがそれを活用することで、あるいは観ることで結果として役に立っている、といった会田さんの整理は的を得ている。それでも会田さんは、「これはアートである」という理由のみに拠って立つものこそがやはりアートだというのが個人的な見解だという。ただ、頭で考えるコンセプチュアルなアーティストだったり、ある意味で成熟したアーティストは、作品とは別に言葉もまた饒舌になる。その場合、かれらが生み出すものはアートではないのか? 僕の現時点での整理としては、アートを「文系の知」と捉えることだ。つまり、アートは、50年後や100年後に役に立つものである、と。そう考えれば、僕からすれば会田さんもアーティストだし、コロガル公園はアートだと思う。レクチャーでは、会田さんが対象にする子どもたちとピュアなアーティストが、遊びと作品制作が、対応的に語られていたように感じた。そこではともに、矛盾や破綻、飛躍が重要な要素となる。ただ、遊ぶことは誰にでもできる。会田さんが示したそのシンプルな手法が、言葉を使って他人の視点を共有するというものだった。西山さんのレクチャーと対比的に言えば、歴史だけでなく、横にいる人もまた壮大であるということを実感した。

  • Update: 2020.09.15 Tue.

PROFILE

西尾美也

1982年奈良県生まれ、同在住。美術家/奈良県立大学准教授/CHISOUディレクター。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目したプロジェクトを国内外で発表。近年は公共空間へアプローチを行う大規模な作品に取り組む。奈良市アートプロジェクト「古都祝奈良」ではプログラムディレクターを務めている。

REFERENCES

講座について

LECTURE OUTLINE

会田大也

ミュージアムエデュケーション的体験のデザイン

  • ラボメンバーコース
  • ゲストコース

2020年9月5日(土) 14:00–16:00

CHISOU lab.

  • ラボメンバーコース

2020年9月6日(日) 10:00–12:00

CHISOU lab.

近年アートプロジェクトや芸術祭の中でも鑑賞者を主軸にしたラーニングや教育プログラムが注目されるようになりました。長年、鑑賞者の主体性を引き出すプログラムやワークショップを実施してきた会田大也さんをお招きし、アートを通じた豊かな学びの方法について考えます。

会田大也
ミュージアムエデュケーター/山口情報芸術センター[YCAM]学芸普及課長

1976年東京都生まれ、山口県在住。YCAM開館より11年間、教育普及担当としてメディアリテラシー教育や美術教育、地域プロジェクトのワークショップやプログラムを開発実施。近年はアート分野だけでなくビジネスやまちづくりの分野でも研修などの開発に携わっている。