CHISOU

VOICES

おのずと生まれるもの

Writer: 山本篤子

河野良文&小山田徹|お寺にみる、拠り所としての共有空間

 南都六宗の一つとして此処にあり続ける大安寺。栄枯盛衰の歴史を経て、今は優しく静かに、その気が遠くなるような時間の流れを私たちの瞼の裏で感じさせてくれる。

 木や石に彫刻をしない彫刻家である小山田先生は、空間を共有することで社会に彫刻をしているという。大安寺貫主河野良文氏のお話を耳で聞きながら、頭の中では東大寺大仏開眼導師ボダイ・センナや外国からやってきた僧侶とごっちゃになりながら大安寺を行き交う大勢の僧侶の姿がぼんやりと浮かんでいた。時間軸は進み、命のこみちでは、そこに置かれているお金をめぐる子ども同士のやり取りの中で、場が誘発している学びあいの空気感をしっかりと感じることができた。この感覚を得た時、小山田先生の実践されている社会彫刻という理念が私の中でしっかりと姿を現し、まさにそれは大安寺の歴史そのものが脈々と地に根を張って彫刻されているのだと理解した。

  • Update: 2020.10.05 Mon.

PROFILE

山本篤子

小学校で.不登校児・家庭への支援や、教室内での発達障害児の支援に関わってきました。地域活動として、現在、大阪府の放課後子ども教室事業コーディネーターとして、小学生の居場所作りを企画運営しています。小学生向けのイベントを企画する時にイメージしていることで、準備しすぎて子どもをお客さんにしないということ。携わって頂く大学生や地域の人も主役になれるような場を作りたいということ。CHISOUでは自分にはない新しい発想を取り込みたい。またそこから新たなイメージがわいてくることに期待しています。

REFERENCES

講座について

LECTURE OUTLINE

  • ラボメンバーコース
  • ゲストコース

河野良文&小山田徹

お寺にみる、拠り所としての共有空間

2020年9月26日(土) 16:00–19:00

※荒天の場合は翌27日(日)同時刻

大安寺

古来より祈りと学びの空間として地域の精神的支柱でありつづける大安寺の河野良文貫主と、カフェや焚き火など人びとが集う共有空間の開発を手がけてきた美術家の小山田徹さんにお話いただきながら、まちの中でさまざまな背景をもつ人びとが出会い、語り合い、互いの存在について認め合う場のあり方について読み解きます。

河野良文
大安寺貫主

1951年福岡県生まれ、奈良県在住。15歳で高野山に登り仏門に入る。1985年より大安寺に入寺し現在に至る。南都七大寺のひとつに数えられる大安寺では、地域の様々な人にとって祈りや瞑想、交流の場として境内の庭を開放している。

小山田徹
美術家/京都市立芸術大学教授

1961年鹿児島県生まれ、京都府在住。1984年、大学在学中に友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成。主に企画構成、舞台美術を担当し、国内外で数多くの公演に参加。1990年より様々な分野の友人たちと造形施工集団を作り共有空間の開発を行う。