CHISOU

VOICES

あるがままにある風景

Writer: 山本篤子

三浦雅之&ラナシンハ・ニルマラ|農による自給的生活文化の継承と創造

レクチャー内のラナシンハ先生のお話の中で、持続可能な農業について、食がどれくらい必要なのか、生きるために必要なものが無視されているというご指摘があった。また、三浦先生のお話の中で、健康なコミュニティーが成立している場所では生物多様性が豊かであるというお言葉があった。さらにフィールドワーク内で紹介されていた「モズの生贄(速贄)」を見た私は衝撃を受けた。生まれて初めてモズの習性を知り目にしたからだ。また、豆はあえて雑草を刈らずにそこに種をまくことで取りについばまれないという知恵にも熱くなった。この瞬間、かつて読んだ水上勉氏の著書の中の「昔からある田んぼを整備して、暮らしやすくすることで、そこにこれまで成立していた生態系が滅び、生き物たちは住処を失ってしまう」「田んぼの外に雑に蒔いた雑草だらけの場所に生る作物の方が立派だった」という二つのエピソードが思い出された。自然の中で生き物はあるがままにある。それを知らずに合理性・利便性を求め続ける人間が知ろうとしない生き物のなりわいがどれほど尊いことかとうらぶれる自分がいた。y

  • Update: 2020.11.05 Thu.

PROFILE

山本篤子

小学校で.不登校児・家庭への支援や、教室内での発達障害児の支援に関わってきました。地域活動として、現在、大阪府の放課後子ども教室事業コーディネーターとして、小学生の居場所作りを企画運営しています。小学生向けのイベントを企画する時にイメージしていることで、準備しすぎて子どもをお客さんにしないということ。携わって頂く大学生や地域の人も主役になれるような場を作りたいということ。CHISOUでは自分にはない新しい発想を取り込みたい。またそこから新たなイメージがわいてくることに期待しています。

REFERENCES

講座について

LECTURE OUTLINE

  • ラボメンバーコース

三浦雅之&ラナシンハ・ニルマラ

農による自給的生活文化の継承と創造

2020年10月28日(水) 14:00–16:00

清澄の里 粟

奈良の中山間地である清澄の里で、在来作物の調査研究・栽培保存に取り組む農業家の三浦雅之さんに「Project 粟」についてお話いただきながら、地域に根ざすプロジェクトを通して世代とコミュニティをつなぐ自給的生活文化の継承と創造について読み解きます。また、コメンテーターとして、スリランカの在来資源の価値を掘り起こす取り組みについてフィールドワークしている観光社会学者のラナシンハ・ニルマラさんをお招きします。

三浦雅之
農業家/株式会社「粟」代表取締役

1970年京都府生まれ、奈良県在住。1998年より奈良県内の在来種の研究や栽培保存を始め、2002年に大和の伝統野菜の発信拠点、地域の交流の場として農家レストラン「清澄の里 粟」を開業。大和の伝統野菜の第一人者として第6次産業による事業に取り組んでいる。

ラナシンハ・ニルマラ
観光社会学/奈良県立大学専任講師

1983年スリランカ生まれ、奈良県在住。観光社会学、南アジア地域研究を専門とし、主に地域社会の独自性と主体性を重要視しながら、観光を活かした地域活性化や持続可能な開発を研究している。JICA奈良デスクと協力して、SDGsへの認識を高めるための活動も行う。