CHISOU

VOICES

歴史は繰り返す

Writer: M. S.

西山厚|〈奈良〉の信仰と美術──歴史はすべて現代史である

令和に改元してから、台風や地震といった自然災害、そしてこのコロナウイルスと不安定な社会情勢が続き、SNSを中心として「令和大仏を建立すべき」という意見を多く聞いた。大仏とは、天災、飢饉、疫病といった多くの死を鎮魂するために建立されてきたものだからであろう。大仏=鎮魂。世界中とリアルタイムに情報を交換しあえる現代においても、日本人に変わらない心性が生き続けている。かつての勧進は、クラウドファンディングとして現代に蘇った。「この世に存在するあらゆるものは全て等しく尊い」と説いた華厳経の教えは、SDGsにも通ずる。講義によって1000年以上前の日本と現代がつながっている実感が持てた。どれほどの時がたっても人は大きく変わることなく、歴史は繰り返されるのかもしれない。それは楽観なのか、悲観なのか。あるいは無常に至るのか。そういえば、無常観が綴られた方丈記の背景にも天災や疫病があったことを思い出した。

  • Update: 2020.09.16 Wed.

PROFILE

M. S.

大学時代は芸術学を学び、社会人になってからは、長らく広告のライター、ディレクターをしてきました。個人的には現代アートに興味があり、国内外の展覧会を見て回っています。3年ほど前から縁があって大学で入試広報をしており、イベントや制作物を企画や運営しています。アートによるコミュニケーションや人々の交流に興味があり、ここでの学びで、発想の幅を広げたいと考えています。また、直接的にではないにしても、勤務している大学でのブランディング広報や社会連携、地域創造に生かしたいと考えています。

REFERENCES

講座について

LECTURE OUTLINE

  • ラボメンバーコース
  • ゲストコース

西山厚

〈奈良〉の信仰と美術──歴史はすべて現代史である

2020年8月30日(日) 14:00–16:00

CHISOU lab.

仏教美術史の第⼀⼈者で、奈良国⽴博物館名誉館員の⻄⼭厚さんをお迎えし、かつて⼤陸との間で⼈的・物的交流が頻繁に⾏われる中、疫病や天災、争乱など困難な出来事を経て育まれてきた奈良の⽂化芸術に焦点をあて、地域のコンテクストを現代史的視点から読み解く⽅法について学びます。

西山厚
仏教史・仏教美術史/半蔵門ミュージアム館長/帝塚山大学客員教授

1953年徳島県生まれ、奈良県在住。奈良国立博物館の学芸部長として「女性と仏教」など数々の特別展を企画。現在は半蔵門ミュージアムの館長を務める。奈良と仏教をメインテーマに、人物に焦点をあてながら、様々なメディアで生きた言葉で語り書く活動を続けている。