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VOICES

景観は風土の表れである

井原縁|レクチャー「明日香村の風土と景観」

自然と人間の営みによって積み重ねられてきた明日香村の景観について学んだ。通常、時代の流れと共に土地は利便性の良い方向へと改変される。明日香村は「明日香法」と呼ばれる法律を整えるなどして土地改変のスピードを遅め、景観を守ってきた。そのため、今でも『万葉集』に詠まれた景色を見ることができる。ただ、遺跡や文化財保存上かけがえのない土地であると同時に、ここは住民の日常生活の場でもある。歴史的風土と住民生活の健全性、両方を同じ重みで捉え村の未来を考えた政策を実施し続けてきたからこそ、明日香村には独特の美しい歴史的風土が形成されている。そのことに私は驚いた。井原先生が仰っていた「景観は風土の表れである」「歴史的風土は、人間が生みだした人工物と自然が一体となったものであり、人の営みが重なり続けることから生まれる」という考え方がプロジェクトを進めるにあたって重要なキーになると感じた。

中川なつみ

  • Update: 2022.05.05 Thu.

講座について

LECTURE OUTLINE

井原縁

レクチャー「明日香村の風土と景観」

2021年9月16日(木) 09:00–17:00

明日香村

環境デザイン学が専門の井原縁さんに、明日香村でレクチャーとまち歩きをしていただきました。前半のレクチャーでは、ランドスケープの観点から明日香村の特徴について学びました。後半のまち歩きでは、明日香村を語る上で外せない飛鳥川を辿り、明日香村の歴史に思いを馳せながら、様々な視点からまちを捉えていくことを試みました。

井原縁
環境デザイン学・造園学/奈良県立大学教授

1975年香川県生まれ、奈良県在住。農学博士。造園学を専攻し、史跡・名勝など文化遺産を基盤とした風景づくりに関する調査研究と実践を重ねている。主な著書に『47都道府県・公園/庭園百科』(共著、丸善出版株式会社)、『みやこの近代』(共著、思文閣出版)など。