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視点の違い

長坂有希&山口未花子&吉岡幸次&吉岡伸次|展覧会関連トーク①&「 ハチニンカフェ」

以前、職場にダンゴムシが大量発生したことがあった。隣で工事をしていたので逃げてきたのかな、工事が終わったら落ち着くだろうと考えていたが、他のスタッフはすぐに駆除するか薬を撒くかという話を始めた。その時、人の視点だけで見るのか、あるいは他の生き物の視点からも見るのかによって、考え方や行動に大きな違いが生まれると感じた。親子で養蜂を営まれているお二人は、蜜蜂の視点は同じように持ちつつ、その関係性に違いがある点が興味深い。伸次さんは人も蜜蜂も並列で、お互いに幸せになれる関係を目指しているように感じたし、幸次さんはより蜜蜂に主体を置き、負担をかけないことを意識して関わっているように感じた。

早田典央

  • Update: 2022.05.05 Thu.

講座について

LECTURE OUTLINE

長坂有希&山口未花子&吉岡幸次&吉岡伸次

展覧会関連トーク①&「 ハチニンカフェ」

2021年12月25日(土) 14:00–16:00

ふうせんかずら

動物人類学者の山口未花子さん、養蜂家の吉岡幸次さん、伸次さん、長坂有希さんによるトークを開催。養蜂家の具体的な仕事や移動養蜂の様子から、蜜蜂や動物とのコミュニケーションのあり方、自然環境や人間の食生活との深いつながりまで、実践家たちの興味深いお話をたくさん伺いました。「ふうせんかずら」のキッチンをお借りして、受講者は「ハチニンカフェ」を切り盛りしました。

長坂有希
アーティスト/香港城市大学クリエイティブ・メディ ア学科博士課程研究員

1980年大阪府生まれ、日本・香港在住。日常の暮らしの中で出会う事象を綿密にリサーチし、自らの体験や記憶を織り交ぜながら物語を編み、語ることをとおして、物事の関係性の再定義や、周縁のものたちからの視点を提示し、異なる人々や生物のあいだに存在している権力構造の再考を試みる。

山口未花子
動物人類学/北海道大学准教授

1976年京都府生まれ、北海道在住。大学で動物生態学を学んだ後、人類学の分野で捕鯨者や先住民の古老から動物について学ぶ。主なフィールドはカナダ・ユーコン準州、日本の宮城県牡鹿半島、西表島など。近年は自分でも狩猟や工芸品の製作をしながら日々動物について考えている。主な著書に『ヘラジカの贈り物』(単著、春風社)、『人と動物の人類学』(春風社、編著)などがある。

吉岡幸次
養蜂家/吉岡養蜂園

1947年奈良県生まれ、同在住。中学校を卒業後、師匠に弟子入りして養蜂を学ぶ。1966年に吉岡養蜂園を設立。50年以上にわたって、家族で約1000の巣箱の蜜蜂を育てている。はちみつの販売や花粉交配用の蜜蜂の貸出の他、アカシアや山桜を奈良県内で植栽し、蜜源確保に取り組む。

吉岡伸次
養蜂家/吉岡養蜂園

1974年奈良県生まれ、同在住。2003年にサラリーマン勤めを辞めて、養蜂家に転身。蜜蜂を連れて奈良から北海道枝幸郡中頓別町へと開花前線を追いかけて、より多くのはちみつを採ったり、次のシーズンに向けて良い蜂をつくる「移動型養蜂」を行っている。