CHISOU

VOICES

言葉ではない何か

長坂有希&長岡綾子|展覧会関連トーク②

自分は趣味で自然農をしている。地面に腰を下ろして草を刈る時、そこにいる小さな虫たちに意識を向けると、どんどんミクロな世界に近づき、そこで感じたあらゆるものが体に入ってくる。そのような体験を通して、すぐに何かを理解したり解釈したりしようとするのではなく、身体を使って感じ取ろうとすることが大切だと思うようになった。長坂さんが仰ったように、人間は言葉を使うことで何かに働きかけたり関わったりしていく。実際はその過程で、言葉ではない何かを伝えようとしたり受け取ろうとしているのだと思う。CHISOUをきっかけに、吉岡養蜂園の蜂場を訪ねることができてとても良かった。吉岡さんの現場で伺ったお話や、交換した言葉ではない何か……。その時その場での体験が、いつか誰かと会話するなかで、また言葉として出てくるのではないかと思う。

井上謙吾

  • Update: 2022.05.05 Thu.

講座について

LECTURE OUTLINE

長坂有希&長岡綾子

展覧会関連トーク②

2021年12月26日(日) 14:00–16:00

ふうせんかずら

プロジェクトロゴや蜂箱のモチーフのデザインなど、グラフィックデザインを通して、長坂さんのプロジェクトに伴走してきた長岡綾子さんと長坂さんによるトークを開催。それぞれのデザインの意図について詳しくお聞きすることで、プロジェクトの趣旨や今後の展開について理解を深める時間となりました。

長坂有希
アーティスト/香港城市大学クリエイティブ・メディ ア学科博士課程研究員

1980年大阪府生まれ、日本・香港在住。日常の暮らしの中で出会う事象を綿密にリサーチし、自らの体験や記憶を織り交ぜながら物語を編み、語ることをとおして、物事の関係性の再定義や、周縁のものたちからの視点を提示し、異なる人々や生物のあいだに存在している権力構造の再考を試みる。

長岡綾子
グラフィックデザイナー

1984年三重県生まれ、奈良県在住。2015年に奈良市で「長岡デザイン」を設立。博物館の広報物や図録など紙媒体を中心としたグラフィックデザインの他、プロダクトデザイン、日用品を使用したアートワークの制作や本の出版を行う。