CHISOU

VOICES

香り×記憶=永遠

西山厚|レクチャー「時間と香り」

香りは期限があるものだと考えていた。外出する前に香水を付けると、家に帰る時にはその香りが消えてしまっているように。しかし、香りと記憶を掛け合わせることで、期限のある香りが永久のものになるのだ。ただ、記憶というのも永遠に存在しているものではない。どちらにしても、いつか終わりを迎えてしまうものかもしれないが、そのような点も含めて香りというものは儚いものなのではないかと感じた。また、想像力を豊かにすることがいかに大切かも学んだ。春日大社や東大寺など、ずっと存在している場所に行くと、建立された当時から今この瞬間までに訪れた全ての人々と同じ香りを共有しているのだと思い、胸が高鳴る。生きている時代は違えど、同じものを見て、同じように五感を使って鑑賞しており、想像するとタイムリープをした気持ちにもなれる。

山本茉由

  • Update: 2022.05.05 Thu.

講座について

LECTURE OUTLINE

西山厚

レクチャー「時間と香り」

2021年7月31日(土) 14:00–16:00

CHISOU lab.

仏教史家の西山厚さんを招き、時間と香りについてお話を伺いました。「時をかける少女」から始まり、『宇治拾遺物語』、蘭奢待、果てはキャベツまで、様々な時代とジャンルを跳躍する西山さんの刺激的な話に、山城さんと受講者から質問が相次ぎました。香りとは、人や場所、出来事と共に記憶され蓄積されるものという要点について学びました。

西山厚
仏教史・仏教美術史/半蔵門ミュージアム館長/帝塚山大学客員教授

1953年徳島県生まれ、奈良県在住。奈良国立博物館の学芸部長として「女性と仏教」など数々の特別展を企画。現在は半蔵門ミュージアムの館長を務める。奈良と仏教をメインテーマに、人物に焦点をあてながら、様々なメディアで生きた言葉で語り書く活動を続けている。