CHISOU

VOICES

「閉じながら開く」「閉じることで開く」

人文系私設図書館ルチャ・リブロ[青木真兵&青木海青子]|レクチャー「『共有』と『私有』を行き来する」

大学へ入学してから、いわゆる「住み開き」という営みに触れる機会が多く、自分でもやってみたいと思っていたところだった。自分がこれまで見聞きしたり、試みようとしたりしていたのは、完全な「オープン」の空間で、誰に対しても開かれている、というようなものだったが、ルチャ・リブロのそれは、どこか他とは違うように映った。質疑応答での真兵さんの「閉じながら開く」「閉じることで開く」「結界は張っている」という言葉が印象的だった。これまでの自分の思考が、いわゆる「現代病」的側面を持っているというか、資本主義的な「 」の付いた「平等」や「多様性」を謳うような、社会と自分の思考がすり寄っていっていたのかもしれないと気づかされた。コロナで「閉じる」ことが市民権を得て、我々の「共有空間」の概念が揺さぶられたのではないかと思う。

島田貴弘

  • Update: 2022.05.05 Thu.

講座について

LECTURE OUTLINE

人文系私設図書館ルチャ・リブロ[青木真兵&青木海青子]

レクチャー「『共有』と『私有』を行き来する」

2021年7月25日(日) 14:00–16:00

CHISOU lab.

奈良県東部の山深い東吉野村で自宅を開き、「人文知の拠点」としてルチャ・リブロを展開してきた青木真兵さんと海青子さんから話を伺いました。私たちが生きる社会や日常の「当たり前」を問い直すこと、「共有」と「私有」のどちらかではなく両方を往還すること、空間を統制しすぎないことにより訪問者が自ら参加できる「余地」を見つけられること、「働く」とは対価を稼ぐことではなく社会に対して「働きかける」こと……お二人の柔らかな言葉と実践から、共有空間について思考を深めるための気づきを得ました。

人文系私設図書館ルチャ・リブロ
青木真兵&青木海青子

奈良県吉野郡東吉野村にある、図書館、パブリック・スペース、研究センターを内包する「人文知の拠点」。歴史や文学、思想、サブカルチャーなど人文系の蔵書約3000冊を貸し出す。話をどんどん先に進めるよりも、はじまりに立ち戻るような、そしてそのはじまりが拠って立つところをも疑問視するような場所。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」を配信。

青木真兵(キュレーター/古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者)
1983年埼玉県生まれ、奈良県在住。
青木海青子(司書)
1985年兵庫県生まれ、奈良県在住。