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VOICES

開かれた親密圏

梅田直美|レクチャー「“つながり”について考える」

私がずっと関心を持っていたけれど輪郭がぼんやりとしていた「近隣や職場などとは関係のない人々同士の自由で多様なつながり」は、従来の公共圏と親密圏という対立構造から脱した「開かれた親密圏」という言葉に置き換えられるのかもしれない。オンラインにおけるつながりの匿名性という話題もあったが、匿名性の強いつながり方は、対面でもあり得ると思う。名前も普段何をしているかも言わないまま、居合わせた人と趣味や特定の話題について盛り上がるという関わり方は、オンラインの匿名性と似た心地良さを感じる。オンライン上での人との関わりが生活に組み込まれているとなれば、オンライン的な関わり方がリアルのつながりにも拡張される可能性についても考えていきたい。

吉田珠世麗

  • Update: 2022.05.05 Thu.

講座について

LECTURE OUTLINE

梅田直美

レクチャー「“つながり”について考える」

2021年10月16日(土) 14:00–16:00

柴田ビル3階

孤立や虐待など関係性の諸問題とそれらを巡る社会的活動について研究してきた梅田直美さんから話を伺いました。前半は、古今東西の社会理論を参照し、近代社会で「つながり」がいかに変容してきたかについて。後半は、ケアなど生活者自らの経験を軸に起業したソーシャルビジネスによって、ユニークな「つながり」が生みだされている事例を紹介いただき、共有空間やアートプロジェクトとも大いに共通する試みや論点について学びました。

梅田直美
社会学/奈良県立大学准教授

1973年大阪府生まれ、同在住。孤立や虐待など関係性の諸問題とそれらを巡る社会的活動に関する研究を行う。近年は、起業者自らの経験を軸として着想されたソーシャルビジネスによって生み出されるコミュニティの性質とその意味を、「当事者性」と「自律性」に着目しながら探っている。主な著書に『OMUPブックレットNo.62 子育てと共同性-社会的事業の事例から-』(共著、大阪公立大学共同出版会)など。