CHISOU
  • 基礎編

レクチャーシリーズ 知を重ね、層をつなぐ、技と思想

プログラム概要

PROGRAM OUTLINE

多彩な芸術文化の研究者や実践家をお招きし、歴史や社会における様々な事象について、時空を超えて共有するための技と思想を学び合います。実践編A、B、Cの受講者が共通して受講する講座です。実践編と並行して開講し、レクチャーを通して得た知見や技法を、実際のアートプロジェクトで活かしながら、具体的な方策を見いだしていきます。

講師
(五十音順)

高橋裕行(キュレーター/多摩美術大学非常勤講師)
多田智美(編集者/株式会社MUESUM代表/株式会社どく社共同代表)
西尾美也(美術家/奈良県立大学准教授)
橋本梓(キュレーター/国立国際美術館主任研究員)
福住廉(美術評論家/秋田公立美術大学准教授)
柳沢英輔(音楽人類学者/京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科特任助教)
山城大督(美術家/映像作家/京都芸術大学専任講師)
山田修(コンテンツ・アーカイブ/奈良県立大学特任教授)

実施期間

2022年7月—2023年2月

講座回数基礎編 全9回 + 実践編A、B、Cとも全8回程度(月1〜2回程度の実施)

※基礎編は全受講者が共通して受講します。

実施場所

奈良県立大学 CHISOU lab.を中心とする奈良県内の文化施設

※実践編A、B、Cとも天理市や宇陀市など、奈良県内での移動を伴う実習が含まれます。
※新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し、オンラインシステムでの実施に変更する場合があります。

定員

実践編A、B、Cとも各5名程度

※基礎編は全受講者が共通して受講します。

受講料

無料

※実習場所までの移動に伴う交通費は受講者負担

申込方法

申込フォームよりお申し込みください。
受付を終了いたしました。

※複数プログラムへの重複応募は可能ですが、受講は1つに限ります。
※基礎編のみの受講はできません。

選考方法

応募者多数の場合は、応募動機等を参考にCHISOUスタッフにより受講者を決定します。

※新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し、レクチャーやミーティングはオンラインシステムでの実施に変更する場合がありますが、対面で参加する意思のある方を優先して選考します。
※選考結果は6月30日(木)までに個別にご連絡します。
※講座の様子はカメラやビデオ等により記録撮影し、ウェブサイトや報告書、広報物等に掲載させていただく場合がありますので、予めご了承ください。

講座一覧

LECTURE LIST

全体共通

オリエンテーション

2022年7月24日(日) 14:00–16:00

CHISOU lab.

実践編A・B・Cの受講者15名が一堂に会して、初顔合わせ。前半は、CHISOUディレクターの西尾美也が「地域創造としてのアートマネジメント」をテーマに、CHISOUにおける学び合いとアートマネジメントの意義についてレクチャーをした後、世代も個性も多様な受講者が自己紹介を行いました。後半は、A・B・Cそれぞれの受講者とスタッフに分かれて、ミーティングを実施。お互いの問題意識や背景を知り、今後のプログラムの展開を見据える機会となりました。
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1

高橋裕行

レクチャー「共有のためには“メディア”が必要」

2022年8月6日(土) 14:00–16:00

CHISOU lab.

メディアアートを専門とするキュレーターの高橋裕行さんをお招きして、「共有のためには“メディア”が必要」というテーマで話を伺いました。
全国各地で手がけてこられたキュレーションの活動を紹介いただいた後、地図や本・図書館、手紙・通信など、古今東西のコミュニケーションを媒介するメディアの歴史的な潮流について、わずか90分間で語り尽くしていただき、まるで壮大なタイムトラベルをしているような感覚。
言語や視聴覚に偏重してきた近現代を再検討し、触感・香り・味覚など伝達が難しいものを共有しようとする未来の創造的なメディアについて想像してみる機会となりました。
高橋裕行
キュレーター/多摩美術大学非常勤講師

1975年東京都生まれ、同在住。メディアアートを専門とし、創造性とテクノロジー、社会の接点をテーマに活動。SKIPシティ映像ミュージアムのキュレーターを経て、現在はフリーランスのキュレーター。主な企画展に「あそびイノベーション展」、「影のイマジネーション〜星降る夜の魔法使い〜」など。主著に『コミュニケーションのデザイン史──人類の根源から未来を学ぶ』(フィルムアート社)。

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2

山田修

レクチャー「共有をかたちにする」

2022年9月10日(土) 14:00–16:00

CHISOU lab.

コンテンツ・アーカイブが専門の山田修さんに、「共有をかたちにする」というテーマで話を伺いました。
奈良のあちこちに残る、古い建造物や鐘楼、落書きなどの形跡が、はるか昔の人々が経験した景色や音、伝承、心情を、現代の人々に共有している事例をたくさん紹介いただき、奈良のまち自体が、歴史を未来に共有する巨大な装置なのだという気づきを得られました。
また、これまで山田さんが携わってきた、東京藝術大学での教育研究やさまざまな文化財保存修復の現場での、フォトグラメトリーやAR、3Dプリンターなどのデジタル技術を用いた活動についてお聞きし、古いものと新しい技術が融合して、形のない祈りや信仰が次代に受け継がれていくことの可能性を感じられました。
山田修
コンテンツ・アーカイブ/奈良県立大学特任教授

1973年群馬県生まれ、奈良県在住。東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻(保存修復彫刻研究室)の特任教授、総合芸術アーカイブセンターの特別研究員として、仏像のデジタル化の教育研究に携わる。伝統的な手仕事との調和を図りながら、3D計測やX線撮影など先端技術を用いた文化財情報の記録と活用を推進。共著に『アーカイブのつくりかた:構築と活用入門』(勉誠出版)、『古典彫刻技法大全』(求龍堂)など。

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3

橋本梓

レクチャー「展覧会の創造的共有力」

2022年9月18日(日) 14:00–16:00

CHISOU lab.

キュレーターの橋本梓さんをお招きして、「展覧会の創造的共有力」をテーマにお話しいただきました。
戦争を体験していない者に、その記憶を完全には共有することができないように、時空間や文脈、知識などを共有していない他者に、何かを共有することが困難なことを認識することから、話が展開されていきました。
この困難さが創造的なステップにつながる可能性があること、そして美術館という場が、一人ひとりを「想像すること」へと誘い、作品・経験・知を共有する装置になり得るという視点から、橋本さんのキュレーションの実践についてお伺いしました。
かたちがなく、共有しにくい作品が増えている潮流のなかで、美術家集団プレイの個展「THE PLAY since 1967 まだ見ぬ流れの彼方へ」(2016年)がどのように企画され、展覧会やカタログへと結実していったのかというお話から、共有にまつわるたくさんのヒントをいただきました。
橋本梓
キュレーター/国立国際美術館主任研究員

1978年滋賀県生まれ、大阪府在住。2008年より国立国際美術館の研究員を務め、国内外で実験的な現代アートの展覧会のキュレーションを手がける。多様な形態のアート作品を文化財として未来につなぐため、所蔵品の管理業務にも携わる。主な企画展に「THE PLAY since 1967 まだ見ぬ流れの彼方へ」、「Viva Video! 久保田成子展」(共同企画)など。

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4

柳沢英輔

レクチャー「音楽の響きを録る」

2022年10月16日(日) 14:00–16:00

CHISOU lab.

柳沢英輔
音楽人類学者/京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科特任助教

1981年東京都生まれ、京都府在住。ベトナム中部地域の少数民族の金属打楽器ゴングをめぐる音の文化について研究している。フィールドの様々な音に焦点を当てた音響・映像作品を制作し、国内外のレーベルや映画祭などで発表。主著に『ベトナムの大地にゴングが響く』(灯光舎)、『フィールド・レコーディング入門──響きのなかで世界と出会う』(フィルムアート社)など。

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5

山城大督

レクチャー「感覚と実感の実験室」

2022年11月13日(日) 14:00–16:00

CHISOU lab.

山城大督
美術家/映像作家/京都芸術大学専任講師

1983年大阪府生まれ、京都府在住。映像の時間概念を空間やプロジェクトへ展開し、その場でしか体験できない「時間」を作品として発表。近年は映像や音、光による上演型インスタレーションを多数制作する。映像ディレクターとしてプロモーションビデオなどの制作を手がけている。CHISOUでは2020年度から2021年度にわたりアートプロジェクト「TIME TRAVEL NARA」を企画制作。

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6

福住廉

レクチャー(タイトル未定)

2022年12月3日(土) 14:00–16:00

CHISOU lab.

福住廉
美術評論家/秋田公立美術大学准教授

1975年東京都生まれ、秋田県在住。美術雑誌やウェブマガジン、新聞、展覧会図録、作品集などに展評を寄稿。「今日の限界芸術百選展」など展覧会のキュレーションも手がける。主著に『今日の限界芸術』(BankART1929)、共著に『日本美術全集第19巻──拡張する戦後美術』(小学館)、『どうぶつのことば─根源的暴力をこえて』(羽鳥書店)など。

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7

多田智美

レクチャー(タイトル未定)

2022年12月10日(土) 14:00–16:00

CHISOU lab.

多田智美
編集者/株式会社MUESUM代表/株式会社どく社共同代表

1980年沖縄県生まれ、大阪府在住。「出来事の創出からアーカイブまで」をテーマに、アートやデザイン、建築、福祉、地域にまつわるプロジェクトに伴走しながら、紙やウェブの制作はもちろん、建築の設計プロセスや企業理念の構築、学びのプログラムづくりなど、多分野でのメディアづくりを手がける。共著に『小豆島にみる日本の未来のつくり方』(誠文堂新光社)など。

 

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全体共通

ふりかえりミーティング

2023年2月26日(日)

会場未定

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受講方法

HOW TO JOIN

実践編A、B、Cの受講者は、
共通して基礎編の
レクチャーシリーズを受講します。

基礎編のレクチャーシリーズでは、多彩な講師陣とともに、時空を超えて共有するための技と思想を学び合います。実践編の3つのプログラムでは、それぞれプロジェクトチームを編成し、アートプロジェクトを企画・制作・実施するなかで、記録や記憶の継承、アーカイブについて考察し、創造的な共有のあり方を編みだすことを試みます。

カリキュラム表

CURRICULUM

2022 7
7月24日(日)
オリエンテーション
8
8月6日(土)
レクチャー(高橋裕行)
9
9月10日(土)
レクチャー(山田修)
9月18日(日)
レクチャー(橋本梓)
10
10月16日(日)
レクチャー(柳沢英輔)
11
11月13日(日)
レクチャー(山城大督)
12
12月3日(土)
レクチャー(福住廉)
12月10日(土)
レクチャー(多田智美)
2023 2
2月26日(日)
ふりかえりミーティング

※諸事情によりイベントの日程が変更になる場合があります。
※日程不記載のイベントについてはアーティストや受講者、関係者と調整の上、決定します。