プログラム1
- 読解編
プログラム1
PROGRAM OUTLINE
芸術や社会学、地域研究などを専門とする研究者に加えて、国内外の芸術文化事業や異文化交流イベントの実践者をゲスト講師として迎えます。レクチャーを通して、古都奈良に潜む異文化混淆の歴史や、現代の複雑な社会状況について理解を深めつつ、多様な思想や表現を他者と共有する場づくりについても学びます。
2020年8月—2021年2月
講座回数|各プログラムとも全7回程度(月1〜2回程度の実施)
※各イベントの詳細な開催日時については、本ウェブサイトやSNSなどで随時発信します。お申し込みいただいた方には個別にご案内します。
奈良県立大学 CHISOU lab. を中心とする奈良市内の文化施設
※各イベントの詳細な会場については、本ウェブサイトやSNSなどで随時発信します。お申し込みいただいた方には個別にご案内します。
※新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し、オンラインシステムでの開催に変更する場合があります。
①ラボメンバーコース
②ゲストコース
無料(ラボメンバーコース・ゲストコース共通)
定員に達したため受付を終了いたしました。
LECTURE LIST
第1回
西山厚
2020年8月30日(日) 14:00–16:00
仏教美術史の第⼀⼈者で、奈良国⽴博物館名誉館員の⻄⼭厚さんをお迎えし、かつて⼤陸との間で⼈的・物的交流が頻繁に⾏われる中、疫病や天災、争乱など困難な出来事を経て育まれてきた奈良の⽂化芸術に焦点をあて、地域のコンテクストを現代史的視点から読み解く⽅法について学びます。
1953年徳島県生まれ、奈良県在住。奈良国立博物館の学芸部長として「女性と仏教」など数々の特別展を企画。現在は半蔵門ミュージアムの館長を務める。奈良と仏教をメインテーマに、人物に焦点をあてながら、様々なメディアで生きた言葉で語り書く活動を続けている。
第2回
河野良文&小山田徹
2020年9月26日(土) 16:00–19:00
※荒天の場合は翌27日(日)同時刻
古来より祈りと学びの空間として地域の精神的支柱でありつづける大安寺の河野良文貫主と、カフェや焚き火など人びとが集う共有空間の開発を手がけてきた美術家の小山田徹さんにお話いただきながら、まちの中でさまざまな背景をもつ人びとが出会い、語り合い、互いの存在について認め合う場のあり方について読み解きます。
1951年福岡県生まれ、奈良県在住。15歳で高野山に登り仏門に入る。1985年より大安寺に入寺し現在に至る。南都七大寺のひとつに数えられる大安寺では、地域の様々な人にとって祈りや瞑想、交流の場として境内の庭を開放している。
1961年鹿児島県生まれ、京都府在住。1984年、大学在学中に友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成。主に企画構成、舞台美術を担当し、国内外で数多くの公演に参加。1990年より様々な分野の友人たちと造形施工集団を作り共有空間の開発を行う。
第3回
松岡慧祐
2020年10月4日(日) 10:00–12:00
身近な存在から社会を読む学問「社会学」の研究者である松岡慧祐さんをお迎えし、世界や社会を描き出すメディアとしての地図/マップをとりあげ、「グルメマップ」や「観光マップ」、「グーグルマップ」など生活の中で手にする地図に注目し、地域の多層性を読み解きます。
1982年岡山県生まれ、大阪府在住。現代の都市や地域社会を表象するメディアとしての地図のあり方について社会学的な見地から調査・研究している。主著に『グーグルマップの社会学──ググられる地図の正体』(光文社)などがある。
第4回
三浦雅之&ラナシンハ・ニルマラ
2020年10月28日(水) 14:00–16:00
奈良の中山間地である清澄の里で、在来作物の調査研究・栽培保存に取り組む農業家の三浦雅之さんに「Project 粟」についてお話いただきながら、地域に根ざすプロジェクトを通して世代とコミュニティをつなぐ自給的生活文化の継承と創造について読み解きます。また、コメンテーターとして、スリランカの在来資源の価値を掘り起こす取り組みについてフィールドワークしている観光社会学者のラナシンハ・ニルマラさんをお招きします。
1970年京都府生まれ、奈良県在住。1998年より奈良県内の在来種の研究や栽培保存を始め、2002年に大和の伝統野菜の発信拠点、地域の交流の場として農家レストラン「清澄の里 粟」を開業。大和の伝統野菜の第一人者として第6次産業による事業に取り組んでいる。
1983年スリランカ生まれ、奈良県在住。観光社会学、南アジア地域研究を専門とし、主に地域社会の独自性と主体性を重要視しながら、観光を活かした地域活性化や持続可能な開発を研究している。JICA奈良デスクと協力して、SDGsへの認識を高めるための活動も行う。
第5回
陸奥賢
2020年11月8日(日) 14:00–17:00
※⾬天決⾏
「大阪あそ歩」の元プロデューサーで、現在も「大阪七墓巡り復活プロジェクト」や「大阪モダン寺巡礼」など、独自の視点で数多くのまち歩きの企画を行いながら、観光・メディア・アート・まちづくり等の多様な分野でのプロデュースを手がける陸奥賢さんを迎え、実際に奈良のまちを歩きながら、土地やあらゆる物事のコンテクストを読み解くための方法について学びます。
1978年大阪府生まれ、同在住。ライター、放送作家、リサーチャー等を経験後、「物事の見方が変わる意外な体験」と「観光を広く定義する視点」から生まれる様々な企画を実施。「まわしよみ新聞」「当事者研究スゴロク」「直観讀みブックマーカー」などを考案している。
第6回
中村政人&西尾美也
2021年1月30日(土)14:00-16:00
※中村政人さんはオンラインで参加いたします
1963年秋田県生まれ、東京都在住。国内外の展覧会や国際展で作品を発表するかたわら、地域コミュニティの新しい場をつくりだすアートプロジェクトを多数展開。近年は「アート×コミュニティ×産業」の新たなつながりを生みだすアートプロジェクトを進めている。
1982年奈良県生まれ、同在住。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目したプロジェクトを国内外で発表。近年は公共空間へアプローチを行う大規模な作品に取り組む。奈良市アートプロジェクト「古都祝奈良」ではプログラムディレクターを務めている。
HOW TO JOIN
プログラムを通しで受講したい方はこちら
各プログラム(全7回程度)通しでの受講を前提にしたコース。終了時には修了証を発行します。また、ご自身の研究や活動で「CHISOU lab.」を利用できます(別途規定あり)。複数のプログラムを同時に受講することも可能です。
定員に達したため受付を終了いたしました。
定員|各プログラム10名程度
気になった回だけ受講したい方はこちら
各プログラムのレクチャーやワークショップ、アーティストトーク等のイベントを、気になった回だけ単発で受講するコースです。
定員に達したため受付を終了いたしました。
定員|各イベントの内容や会場の規模により人数を設定
ラボメンバーコース受講者希望向けの説明会を行います。
下記からご都合の良い日時をご予約の上ご参加ください(1時間程度)。
定員に達したため受付を終了いたしました。
会場|奈良県立大学 CHISOU lab.
MEMBERS
事業会社で役員をしております。人事が専門でどちらかといえば、Artには全く縁のない世界で仕事をしてきております。ホテル事業を現職では行っており、ホテルは地域の拠点になりうる場だと認識しています。この場づくりや今後の企業経営において地域とどうつながるか、またホテルはArtを発信することができる可能性を秘めていると思っており、ヒントを頂ければと思い受講しました。
地方新聞社の事業部門に所属し、マラソン、ウォーキング、美術展、コンサート、伝統芸能、シンポジウム、見本市等イベントの企画運営を経験。その後、行政機関に所属し、文化施設(万葉文化館)の事業企画、県域文化イベント(ムジークフェスト・奈良県大芸術祭担当)のディレクション、国民文化祭開会式の総合演出等の経験を経て、現在は2022年に開村する「なら歴史芸術文化村」のソフト事業を担当。今回の学びを、「なら歴史芸術文化村」での企画運営に活かしたい。
医療の分野でお子さんから高齢者のリハビリテーションに携わってきました。現在は福祉施設で主に発達障害のお子さんと関わる仕事をしています。障害を持つ方の表現活動に興味があり、事業所内でも粘土や絵の具など画材を用いたプログラムを実践しています。CHISOUでは地域の特色の活かし方や、アートプロジェクトの流れを学びたいです。プロジェクトによって障害を持つ人が地域との繋がりを持ち、アートが多くの人にとって親しいものになったらいいなと考えています。
空間設計・インテリアデザインを手掛けています。2016年に国内外のアーティスト作品を企画展示する「Lights Gallery」を名古屋市円頓寺にオープン。展示空間の領域を室内から街や地域へ広げる中で、アートプロジェクトにおけるマネージメントを学びたいと考えています。
私は、伝統工芸/産業の職人とプロジェクトをしています。職人は何百年も続く技術を自分のものとし、見えざる哲学を自身に構築し、世界に誇る作品をつくり続けています。しかし、多くの人は生まれ育った地域のことに興味を持ちにくい傾向があり、自分の地域のものづくりのことをあまりよく知らない、といった現状があります。伝統工芸は過去のものではないのです。地場のものが、きちんと地域住民に認知され、応援される状況ができれば未来に続きます。そのための手法を知り、更に、伝統工芸と職人のアーカイブ手法の可能性を探りたいと思っています。
大学時代は芸術学を学び、社会人になってからは、長らく広告のライター、ディレクターをしてきました。個人的には現代アートに興味があり、国内外の展覧会を見て回っています。3年ほど前から縁があって大学で入試広報をしており、イベントや制作物を企画や運営しています。アートによるコミュニケーションや人々の交流に興味があり、ここでの学びで、発想の幅を広げたいと考えています。また、直接的にではないにしても、勤務している大学でのブランディング広報や社会連携、地域創造に生かしたいと考えています。
関西圏の中小企業と若者のコミュニティ運営、環境イベントの企画・運営、大学生を対象にした中小企業でのインターンシップコーディネートなどを経験してきました。地域の人材、資源を活かすことを通して地域の活性化、社会課題を解決するための方法、考え方を学びたいと思っています。対象地域の歴史や、そこに暮らす人々の生活、環境などさまざまな要素を理解し、必要な形に編んでいけるように、今回のCHISOUでの学びを活かしたいと考えています。
小学校で.不登校児・家庭への支援や、教室内での発達障害児の支援に関わってきました。地域活動として、現在、大阪府の放課後子ども教室事業コーディネーターとして、小学生の居場所作りを企画運営しています。小学生向けのイベントを企画する時にイメージしていることで、準備しすぎて子どもをお客さんにしないということ。携わって頂く大学生や地域の人も主役になれるような場を作りたいということ。CHISOUでは自分にはない新しい発想を取り込みたい。またそこから新たなイメージがわいてくることに期待しています。
生活の中にある手仕事を含めた様々な“知恵”に興味があり、大学でクラフトや工芸を学んだ後、滞在制作などを通して各地に滞在しながら、身近にある素材や手法を用いて、その土地の自然や人々の営みが浮かび上がってくるような作品を制作している。一人で作ることもあれば、地元の方に手伝って頂いたり、市民参加型のような形で制作することも。今回は土地へのリサーチ方法を学びたい。また今後、他者と協働してプロジェクトを行ないたいとも考えており、他者と共に考えながら可能性を探っていくことで、個人の思考や領域を飛び越えていくような活動をしていきたい。
高校生の時に1年間カナダでの留学を経験し、多種多様な文化に触れました。このプログラムでも、様々な文化や価値観に触れ、多角的に物事を分析できるようになりたいです。
子育てをしながら様々な職種を経験。若年無業者の就労支援を経て現在は障害者就労支援施設で職業指導を行なっている。環境ボランティア団体に入った事をきっかけに、様々な地域活動に参加するようになり、若年無業者と地域活動の出会いを作る活動を通じて人の成長や関わり方、「その人の本来の能力は何なのか」ということに関心が行くようになった。2017年竹林整備団体LUKCS FORESTを設立。森という場を生かした、自己発見の場を作っている。CHISOUでは、地域活動と企業、福祉、子育てなどの交差点で何が起こっているのかを学術的視点で学び取っていきたいと考えています。
奈良県立大学西尾研究室の4年生です。ゼミで現代アート展の企画・運営やワークショップの企画を行いました。アートマネージメントや現代アートについて日々勉強中です。現在は、“対話”を主軸としたアートマネージメントについて考えています。CHISOUでは、年代の異なる参加者の方々との交流を通して、多様な価値観に触れ、今この時代にアートマネージメントを学ぶことの意味を考えていきたいと思っています。
現在まで私は学生として部活動や学内活動を経験してきました。CHISOUを通して、私は土地の活性化の方法や、土地の強みを見つける方法を学びたいです。私の地元の土地はあまり特徴というものがなく、ほかの地域に比べて田舎と呼ばれることが多いです。しかし、田んぼや畑ばかりであるような昔ながらを感じれるようなものでもないので観光客が来るような土地ではありません。そのためCHISOUの活動を通して地元の特色を見出し、活性化できるようになりたいです。
はじめまして関西学院大学4年の米田陣と申します。途上国支援を学ぶ目的で大学に入学後、フィリピンの孤児院で暮らす子供たちの踊る姿からアートと社会課題を結びつけて考えるようになりました。その後フランスでのフィールドワークや国内でのアートプロジェクトの経験から、文化芸術による社会課題の解決をテーマに研究しています。将来人間の安全保障の分野においてアートを取り入れたいと考えているため、このプログラムを通してアートマネジメントの手法や視点、アーティストと社会を結ぶための必要な能力を学び習得したいと考えています。
昨年「船/橋わたす」を鑑賞し、また運営に携わった友人の話を聞いて私も参加したいと思い、応募しました。この活動を通して芸術と地域について多くの専門家から学び、仲間と議論し合い、どうしたらより自分の住む地域に愛着をもってもらえるのか、どのようにして芸術で地域を盛り上げるのかについて考えていきたいです。そして、将来的に私が教員になった際に授業を組み立てたり地域コミュニティの活動を運営していく際に役立てたいと考えています。
祖父の撮っていた大量の写真から昭和30年代神戸三宮の街の様子や夜の繁華街に興味を持ち、当時を知る高齢者や飲食店に趣味で聞き取り調査をするうちにローカルを掘り下げることやまちづくりに興味を持ちました。現在はたつの市で空き家問題を解消するためのNPOに従事。空き家調査と並行して、捨てられる運命にある古家具や廃材を新しい家具へ転用する取り組みをしています。週の半分はコミュニティバーでマスターをしています。CHISOUを通じてローカルの興味深い事柄や歴史に出会った時の読み解く解像度を上げたい。創造的なアウトプットの発想法を学びたい。